13日●「靴と名刺と雨漏りに注意」
到着の翌朝(「ゆかいな旅の滑り出し」と書いてから30分後)、「したっ、したっ、したっ」と背後で物音が・・・階上の部屋からお風呂の水が漏ってるー!
・・・うーむ、さすがに由緒ある正しいホテル。フロントに知らせたら、イタリア語オンリーのおじさんをよこし、タオルを持って出たり入ったり。文句を言っても「わかんなーい」と首を振られるばかり。くそー。ようやく止まって、「明日おんなじことにならないでしょうね」と念を押すと、「Si,
Si, Control !」とかなんとか調子よく言われる。疑いつつも一件落着。
(※ええ、もちろん嘘でした。次の朝も同じ時間に「したっ、したっ」と滴り落ちてきた。
もう、やりとりするのもめんどくさいから、自分で床にタオルを敷きました。
上の人、パンクチュアルなんだな、と思いながら)
日本にファックスを送り、美しいサロンで朝食を済ませ、バスに乗って、フェア会場へ。
5年前の記憶の景色が少しずつよみがえってきました。
日本のブースをさっと経由して、わたしの今回の目的、フランスの絵本調査へ突入。
白紙状態からのスタートだけに、動けば動いただけの収穫が。すぐに運動靴で来なかったことを後悔しました。
ほとんど知らなかった出版社の傾向や面白い作家の輪郭がぼんやりと浮かび上がってきました。 アポなしでも、立ち読みしていてここ!と思う出版社にはとびこみで、意外と突っ込んだ話ができました。乾いたスポンジ状の脳みそに、英語と仏語で一挙に注ぎ込む情報量。
煮詰まらないよう、ふうふう冷ましながら渡り歩きます。
出発前に娘が作ってくれた名刺が、瞬く間に減っていきます。
ピッツェリアでジョン・ロウがシュレーダーに「お口のまわりについてるわよ」
と指摘されているかわいい現場を目撃したり、パツォウスカーなど、なつかしい作家たちと再会もできました。
夕方、ボローニャのラガッツィ賞の授賞式のあと、いったんホテルに戻り(水漏れ以外は、居心地のよい部屋なんですけどね)、7時半から市庁舎のアンデルセン展オープニング会場へ。ここにはアンソニー・ブラウン、クエンティン・ブレーク、パツォウスカー、デュシャン・カーライ、
安野光雅など、アンデルセン賞画家たちの描いたアンデルセンの原画が展示されていました。
奥の間でのセレモニーでは、大学教授の子守唄のようなスピーチ(
こんな穏やかなイタリア語もあったとは)に私のこうべは、前後左右に、かくん・・かくん・・・。
途中で抜け出し、8時半からピッツェリアでの日本人大夕食会(50人!)に合流しました。 |